茶会のための振出制作 2代目

九谷幸窯は、石川県にあります。

石川県は、伝統工芸も盛んで、茶の湯文化も盛んです。

地元の数寄者の方々が集う竹渓会という茶会で、茶箱というお点前を行うことになり、

振出(ふりだし)という、金平糖のような小さな干菓子を入れる菓子器があるのですが、

それを準備できないか?とご依頼をいただきました。

九谷幸窯は、大皿や大きな花瓶、水指などの大ものの制作は得意分野ですが、

あまり小さな茶道具を制作しないので、振出はありませんでした。

2代目(谷口桜)が、制作することになりました。

ろくろ成形で作ることに決め、制作に取り掛かりましたが、

九谷幸窯の土(粘土)は、様々なものがブレンドされており、やや固めで粗いです。

小さなものを薄く成形するのが難しく、初代(谷口幸夫)の手を借りつつ、作りました。

数種類制作し、薄くうまくいった!と思ったものは残念ながら、焼成時に割れてしまいました。

少し厚みがあるものが生き残り、上絵つけを施しました。

出来上がった振出は、他の若手工芸作家の作品とともに、茶席に並び、お客様の手に取って拝見いただきました。

亭主にはお選びいただき、茶会のテーマが海の日だったので、青海波紋様の方が採用されました。

振出にしては、やや厚みがあり、理想より50gほど重い仕上がりでした・・。

難しいですね。しかし粘土を細かい粘り気の強いものに変えて、また挑戦しようと思います。

精進してまいります。

九谷幸窯の茶道具は、オンラインショップでもご購入いただけますが、ご注文でも制作いたします。

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