こだわりを持たず自由に

土を焼いたら陶磁器になる不思議さや面白さに惹かれ、

陶工を始めたのですが、

既にある立派な壺や皿を自分も作りたいと思ったのではありません。

土で何かを創り焼いて陶磁を作り、

そこにまた自由な絵図を描き、様々な釉や彩色にて

奔放な表現を施してまた焼く。

その創作工程の中での私のこだわりは、

<こだわりがない>ということです。

言い方を変えれば、こだわりを持たないようにしているということです。

詩をかくように作る

陶芸を始めたのは九谷焼からでしたので、

ベースは伝統九谷焼の技法からなのですが、

様々な他産地の陶芸の材料や技工を組み込みますので、

完成品は九谷焼を基調とした創作焼になるのです。

大切にしている心構えは、

奇を衒ったり、曲芸的に技に走ったり、

感心せしめる意図を込めてつくるのではなく、

焼きもので詩を描くような表現でありたい

そう思っています。

全ての工程を手作業で行う

九谷幸窯では、粘土から形を作り焼きしめる

色を作って絵を描く

釉薬を作ってかける

仕上げに焼く

全てを手作業で行っています。

一点一点、手に取って、水漏れや割れ、欠けがないか

最後の最後まで手作業です。

とても時間がかかってしまいますが、

一点一点精魂込めて作り上げています。